1年前の今日   One year ago today


このシリーズは「1年前の今日」の写真をInstagramに毎日投稿するInstaレーション作品になります。


中学の修学旅行でインスタントカメラを持った事がきっかけで、思い出写真を撮ることが習慣になりました。現像が上がってくるまでのワクワク感が好きだったのと、純粋に思い出を振り返るのが楽しかったのだと思います。

24歳で写真の仕事を始めた時、その思い出写真を撮ることを辞めてしまいました。カメラやライティングに夢中になり、写真を好きになった理由を忘れていってしまったのです。

それから10年以上経ったある日、リー・フリードランダー(Lee Friedlander 1934-)の《In the Picture》という写真集を見ました。その中で彼はセルフポートレートで人生を記録し続けていて、その写真を観た時「まさに僕が写真を好きになった理由はこれだ!」と明確に思い出したと同時に、涙が溢れてきました。

思い出写真を復活させようと決意した瞬間でした。

その人生を記録する相棒として、日付入りのフィルムカメラを選びました。日付が入ることで得られる記録性と、フィルム現像が上がってくるまでの時間が僕の初期衝動に大きく関与しているからです。

それを続ける仕組みとして「1年前の今日」を毎日インスタグラムに投稿する事にしました。現代的な行為であると同時に、ちょうど思い出を振り返りたくなるのが1年くらいかなと思いました。日付を入れている意味も出てきます。また、少しのいいねが私のモチベーションを維持してくれています。

面白い写真もあれば、ダメな写真もある。

最高の1日もあれば、ダメダメな1日もある。

だけどそれが人生であり、その人生を写真で記録し続けること。それが写真に求める僕の大きな欲望であり、もっというと写真を続けている理由なのではないか?とすら思うのです。

時が経つほど、写真は発酵しアウラを帯びてくる。

この広大なネットを100年200年と漂ったとき、この写真達はどんなアウラをまとっているのだろうか?

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